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#2 辻󠄀が花染め工房 絵絞庵 福村 健 さん

#2 辻󠄀が花染め工房 絵絞庵 福村 健 さん

第二回目は辻󠄀が花染め職人である、絵絞庵の福村健さんにお話を伺います。

依頼していたストールを受け取りに来ましたが。そもそも私が気に入ったものがお父様の制作したお品だったという。

そうそう、父が作ったもの。

それを復刻していただいたという形ですもんね。

再現ね。復刻というと、ちょっと何か違うかな。
だからぱっと見、ちょっと僕のしたことのないやり方やったので、これはどうやるのかなというのを含めて、ちょっとね、返事を。
即答はできなかったんだけど、ちょっとやり方を考えて、材料も揃えて、ようやくできまして。
うまいことできたかなと思ってます。

板締めで染め上げたストール
板締めで染め上げたストール
ありがとうございます。絵絞庵さんと言ったら柔らかい色味と優しい柄が持ち味ですけど、これはモード感があって、また違う展開をしていただいて。

黒は滅多にしないんで。僕が作るのは基本的に柔らかいというのが多いんですけど、やっぱ黒は黒でモードっぽいし、男性も使っていただけるというのも良いし。
結構海外の方も黒とか好まれる方も多いので。おかげさまでいい商品開発ができたかと思います。
万力で挟むタイプの板締めは初めて今回やることやったので、その道具がそろったから他の形のものとかも作れたので。
おかげさまでいろいろ新しい商品開発にもつながりました。
ありがとうございました(笑)

ストールの色味や素材の違いについて歓談
早速ストールを纏い、技法の解説を受けるオーナー
きもの作家さんに貢献できて何よりです(笑)
(ふたりは20年来の友人)

ショップオーナーのひらめきから新たな商品が生まれた。という話になりましたね(笑)

(職人の)日常としてはどのように一日が始まりますか?

朝とりあえず歯磨き。まず歯磨きしてトイレ行って、神棚で。

神棚は手を合わせる感じで?やっぱり1日作業うまくいきますようにみたいなこと?

その時々、色々です。作業のことはまぁね。

日常生活の中で仕事と繋がっていると感じる瞬間はありますか?

何か。外に出たりしたら、綺麗なものとか。
やっぱりそういうのをまたデザインの発想になったりとかもありますし。あとは何をするのでもつい段取り良くしようという。
無駄にそう思ってしまうところが、仕事と繋がっているのかなと思いますね。

絞染の着物の柄
早速ストールを纏い、技法の解説を受けるオーナー
それは時間的なことですか?

計画を立てなくてもいいのに、こうしようって順番を考えてしまうところは、何か癖かなと。

細かいところに目が行ってしまうと。

そうそうそう。

自分で作ったものを日常生活で使うことはありますか?

自分で作ったきものとか、工房の暖簾、あと風呂敷とか使ってるという感じですかね。

代々大切に受け継がれてきた型紙
代々大切に受け継がれてきた型紙
奥様につくったものをプレゼントとかされてますか?(知っているけれど笑)

まぁ、ちょっとですけど。もうちょっとプレゼントしないと、と思い(作品で)狙ってるものがあったのですが、出てしまって。

奥様:ランチョンマットとかね。子供にね、雪花絞のハンカチをあげたのを、子供が「これランチョンマットに持ってく~。」とか言って、使ってたりするよね。

子供にカードケースをプレゼントしたけど全然使ってませんね。

工房内作業場の風景
お子さんのお絵描きに、オーナーからの制作依頼メモ書き
それはあんまりお気に召さなかったんだ

あと、七五三はつくったね、産着と、過日の七歳のを。

それは作家冥利につきますね!

そう、一応、子供のリクエスト通りにつくったし、気に入って着てくれて。

どんなリクエストがあったんですか?

えー、地色が水色で、ピンクと赤の花柄、ハートをちょっと入れといて欲しいと。 そのリクエストを全て盛り込んでつくりました。

七五三の着物
お子さんの為に制作された四つ身
それは凄い喜ばれたと思いますが、大人になってからもっと感動されるでしょうね。

喜んでもらえたらいいね~。

仕事をするうえで体調管理に気を付けていることはありますか?

手のケアかな。なるべく荒れないようにハンドクリーム塗ったり。特に冬は乾燥するので気を付けています。

絞染職人の手
絞染職人の手
指紋消えません?(自身が職人作業で消えるため)

指紋は大丈夫ですが、絞ってると指にタコが出来たり。なるべく出来ないように父は手袋をしてましたが、僕はほんまにヤバい時は指にセロハンテープ巻いてます(笑)皮膚の代わりに(笑)今はそんなことはしませんが。 綺麗なものをつくるにはやっぱり綺麗な手じゃないとつくれないと思ってます。

日常生活で大切にしていることは何ですか?

急がない。結局「急がないとダメ」となるとダメですね。なるべく急ぎたくないという気持ちがあります。

事前アンケートで思考・価値観に関する質問をさせていただいた時の返答が「急がない」「ちょっと休憩」
日々の嬉しいことへの問いに、「うまく仕事が進んだ時」「家族で楽しく過ごした時」など。なんかもうそれに福村さんの人柄の全てが現れてるという気が。

いやいや、「ちょっと休憩」は文集とかに書いてたくらい好きな言葉で、昔から「ちょっと休憩」って言って休んでる。それが結構大事かなと思って。

対談中
旧友なので、話が脱線しがち
それがお仕事や作品づくりのモチベーションに繋がると。

モチベーションになるかは分からないけど、大事にしています。

絞りは手が大きい方が有利とか小さい方が有利ってあるんですか?

ないかな。僕は手が小さい方なんですが、ここに筋肉がつくというのがあるかな。 僕、筋肉ないけどここだけは筋肉ある(笑)あんまり見せたことないけど。
杏ちゃんも作業であるでしょ。

異常に盛り上がる筋肉
繰り返す作業でついた親指付け根の筋肉
弟子時代、洗い張りしている時は私も広背筋盛り上がっていたかな。
筋肉というか昔から握力がないから、今もずっと器具の付け替えが苦手。

絞りの仕事はよく力がいるように思われるけど、腕より手をよく使うので、手の方が疲れるって感じかな。

約二十年前、仕事を始める時にお父様から頂いたというハサミ
この道に入るときに、お父様からプレゼントされた鋏
これから職人を目指す人に、生活面で伝えたいことはありますか?

様々な事をよく見て、仕事との切り替え方法を見つける。ことかな。

お忙しい中、作業場も見学させていただきました
正確にデザインされる図案

ありがとうございました。

絵絞庵
雪と強風のなか笑顔で対応してくださった御夫妻

福村 健  Takeshi Fukumura

1980年京都市生まれ

2002年
同志社大学商学部卒
在学中より父・福村廣利に師事
2005年
日本伝統工芸近畿展日本工芸会新人奨励賞
服飾ブランド「matohu」とのコラボレーション
2007年
日本伝統工芸染織展入選
2012年
京都府美術工芸新鋭展入選
2013年
マリア書房『創作市場 染織に遊ぶ』掲載
2015年
フランス・パリにて 展覧会【Magie des paysages, un monde en soie】及び、美術学校Ecole nationale supérieure des Arts Décoratifs にて1週間講師を務める
2015年
台湾にて 展覧会【日本京都伝統染色創新師匠作品特別展示会】
2021年
日本伝統工芸展入選
2024年
京都市未来の名匠認定
  • 銀座松坂屋別館アートスペースGINZA5にて親子展
    「絞り絵絞り二人展」を開催(2007年)
  • 青山イチーズギャラリーにて
    「絞り絵絞り辻が花 現代に咲く桃山の花展」を開催(2013年)
  • 永田町北野アームスにて
    「絵絞庵 東京展」を開催(2015年)
  • 銀座三越サロンドきものにて
    「絵絞庵 辻が花・絵絞りの世界」を開催(2020年)
  • 京都染色美術展出品(京都染色美術協会会員)
HP
http://www.tsujigahana.com/
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