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#3 jewels and ornaments SINRA 平尾 佳子 さん【1】

#3 jewels and ornaments SINRA 平尾 佳子 さん【1】

第三回目はjewels and ornaments SINRAの平尾佳子さんにお話を伺います。
今回は長編になりますので、前半と後半の2回に分けてお届けいたします。

サイトを作る以前から オーダーしていた指輪ですね。ありがたく使わせていただいています。

いや、でも(伝統工芸士バッジの)後ろのピンを切るっていうのはちょっとびびりましたけどね(笑)
これやっていいのかな~って(笑)

くるりと回すと現れる伝統工芸士ロゴ
くるりと回すと現れる伝統工芸士ロゴ
やっていただき良かったです!(笑)
オーダーをした時にこんなにも親身になってもらえるんだ、って思うぐらい何度もアイデアを練ってくださって、こちらに伝えてくださったのが印象的というか。
もう本当に幸せでした。

オーダー・ジュエリーって結構、カウンセリングありきみたいなところがあるんですよね。やっぱジュエリーって、その人のすごく心が動いたりとか状況動いたりする時に作るじゃないですか。金額もそうだし。

あ、まさに私がそうでしたね。(伝統工芸士の合格と、サイト立ち上げの記念もあり依頼)

なのでそこら辺のカウンセリングが上手くいくかどうかって、すごく重要で、それによって結果が変わってくるっていうようなところがある気がする。

伝統工芸士バッジを、リングへと依頼。
伝統工芸士バッジを、リングへと依頼。
確かに。本当に寄り添ってくださったって印象も強かったですし、回転する仕掛けのアイデアをくださったのも平尾さんですし。

これ良かったですね、あの時作って。今作ったら結構とんでもないよ(笑)

あ、高騰してますもんね(笑)あの時も慌てて「金、抑えていいですか?」みたいな(笑)

ご依頼時、すぐに金を押さえたけど。金相場、多分あの時からもう3倍どころの話じゃないから。材料費だけで飛んでると思う。

レーザー刻印が引き立てる、18Kの煌めき
レーザー刻印が引き立てる、18Kの煌めき
制作段階で出来るまかないピアス
制作段階で出来るまかないピアス
わ、それはありがたいです。
そうそう。平尾さんと言えば博物館で、造形物を作るところからスタートされていて。ジュエリーデザイナーの前職がそうでしたもんね。

そうそう、そうです。

そこからどうしてジュエリーを選ばれたのですか?

いわゆる造形、広告業界の造形業、みたいなことなんですよね。クライアントがいてそのオーダーに沿った造形物、立体彫刻を作るっていうので。私がメインにしてたのが、自然科学系と歴史系。特に古墳時代が得意で。あとまあジオラマとかね。そういう情景模型だったりとかっていうのが得意で。
その造形ディレクターという仕事を10年ぐらいしてたんですけど、その中で古墳時代の副葬品。昔の偉い人が死んだ時にあの何ていうかな、色々副葬するじゃないですか。

インタビュー開始早々の構ってアピール
インタビュー開始早々の構ってアピール
埋葬されますね。

あれをえっと、復元する仕事がいくつか続いたんですけど、その時に彫金のテクニックが必要だったんです。
ある古墳の復元をやったんだけど。その時に専門の先生と一緒に論文を見ながら、現状じゃなくって、その当時を復元するっていう作業をしたんです。
元々これって何用やったんかな?とか、どういう道具使ってやったんかな?っていうところからやったんですよ。

それが面白かったからと。

うん。かもしれないですね。

様々な素材を使いこなす職業で、そこからジュエリーひとつに。
その中でもやはり宝石を選び取ったっていうのは。

宝石はね、石ころが元々好きで。本当は、結晶とか化石とかなんですよ、出身は。なんですけどアクセサリーとか宝飾系をしようと思ったら宝石絡めると値段が付けやすい。っていうのもあって。これね、ほら。可愛くない?三葉虫かな。これ、化石。可愛い。・・・こういうのが好きだったんですけど。
ジュエリーとかでイメージする宝石ってめっちゃこうキラキラで綺麗なやつでしょ?
でも、うちが使ってる宝石って石ころと宝石の間ぐらいのやつなんです。

ひとつひとつの物語を、熱く語る
ひとつひとつの物語を、熱く語る
ジュエリー作家として、 寄り添うがコンセプトだと。信条にされてたので。でもその中でも宝石って聞くと、なんか、、、

ちょっとびびるでしょ?「宝石」ってなると。距離感が。

そうです。距離感。(ジュエリーが)日常ではない方も多くて、その中でどうしてジュエリーを選び取ったのかなと、面白く感じました。

でもジュエリーっていうか、人が人である時から装身具を纏ってるますよね。猿と人の違いって装身具を付けたかどうかじゃないかなって思ってるぐらいで。あの、自分の体にジュエリーじゃなくても刺青を施したりとか。その延長でなんか綺麗な石あったら、身を飾ってみたり。っていうのは多分人類の痕跡がある時からあるもんですよね。
なので嗜好品と言われてるけど、実は(人であるための)必須なんじゃないかっていうのは思います。その石を身に付けるっていうことに関しては、その中でその宝石っていうのがあまりにもその、特にヨーロッパやインドなんかでその権威だったり力を表すものとして注目されてきたから、そういう側面がすごくデカいし、普通の人が手の届かないような、ダー!みたいな。威圧感のあるものっていうイメージだけど。。。

平尾さんに依頼して、作品をいただいてから宝石に対する考え方が変わりましたね。愛おしい、みたいな。可愛らしい、みたいな気持ちです。展示会にも何度もお伺いして。
私自身も、いつも付けてる指輪があって。親戚のおばあ様から譲り受けたものなので。生きてますけどね(笑)

あ。そっか(笑)

お話を伺って、さらにお守り感が高まって。で、こちらの依頼した指輪もお守り、みたいな気持ちもあるので。

そうしてこう自分のステータスというかポジションを表すものでもありますから。

作家の感性を支える道具たち。
作家の感性を支える道具たち。
だからより大切さが高まって。寄り添うという気持ちは、オーダーしたものを身に付けてからより感じるようにはなりましたね。
そう。何で石を選んだかの話を(笑)

石ね。 石は、もうそもそも石が好きなんですけど。その宝石、お店で売ってる「ザ・宝石」「ザ・ジュエリー」には興味を持てなかったんです。
大学が彫刻科だったんですが。結構周りみんな制作してる人が多いんですけど、手がそんな「綺麗」な手じゃないじゃないですか。もうその作業する人の手だから。節も立ってるし。そういう人に似合う宝石の指輪が作りたかったっていうのもあって。
あと、もっと可愛い石あるのに、何でそれ使へんのかな、みたいなんがあったんで。

お互いを引き立て合う、寄り添うですよね。

あとその、色石を使うことが多いんですけど、色石って、成分とか生成状況とかちょっと違ったら同じ宝石でも、全然表情が変わってくるんです。だけど、大きいお店だったりとか、いろんなお店に均一なものをたくさん作らなければいけない所ってそういう個性的な素材は使えないわけですよ。
そういう素材で特別な1点というか。それをひとつひとつそれに合わせて作るとなると、カジュアルって言ってもまあまあな値段はしちゃいますけど、ちょっと頑張ったら買えるぐらいで。「これ!」、っていうものをお届けしたいっていうのはあったかもしれないですね。

なるほど。

あ、ちょっと見ます?
ここら辺はサファイアだったりとか。あ、これとかダイヤなんです。

自然が生んだかたちの存在感。
自然が生んだかたちの存在感。
カットもされてるんですか?

カットはしないです。
カットもなかなか奥深くて、石って方向によって色が変わったりとか。物理的なえっと、性格も変わったりするんですよ。なので、かなり専門的な知識と技術がないと。
宝石って原石の形があるじゃないですか。方向によって色や表情や耐久性が違うし。その石を最大限に美しく生かすようなカットを、となると、結構ね、深いんです。なので信頼できるプロに頼んでいます。

これは、なんか真ん中に入ってる。

トルマリンで、これはね、ミャンマーのある地域でしか出てないものらしいです。ミャンマー、ビルマってちょっとあの地質学的に面白いところで。同じ石でも結構ね個性的なものが出るところなんですよ。でも残念ながら今情勢悪いじゃないですか。内戦起きたりとか。っていうので、入手するのが難しくなってきているんですけど。
これはね、ダイヤモンドの原石。八面体なんです。もうこのまま出てきたかたち。

原石。

八面体なんです。もうこのまま出てきたかたち。

すごい。

こう、なんかこう。法具みたいでしょ?「金剛石」ですからね。ダイヤモンドの原石をそのまま留めたものです。

原石ならではの表情を楽しむピアス。
原石ならではの表情を楽しむピアス。
平尾さんのデザインやから可愛いと思うんか、石が可愛いと思うんか、いつも不思議に思っています。

これも、こういう八面体じゃないですけど、ダイヤの原石、出てきたそのまま。
これ色もね、あのちょっと色のついたやつを集めているんですけど。
ダイヤって実は全ての色があるんですよ。

全ての色?

(ダイヤモンドには)全ての色があります。ダイヤモンドは4Cのグレーディングシステムの所為で無色透明なのが一番って思われがちですけど、実は全ての色があって。最近はカラーダイヤモンドの人気が高まってきていています。

あ、これもダイヤ。

様々な色味をもつダイヤモンドの魅力
様々な色味をもつダイヤモンドの魅力
あ、それも、そんなに色がついててダイヤなんですね。

これもダイヤです。そうなんです。
これは、えっとベースは黄色いんですけど、中にね、フラクチャーっていわゆる傷があって、そこに鉄分が含まれたものが染み込んで酸化したオレンジなんですよ。酸化鉄が赤いからオレンジに見えてる。っていう状態です。
可愛いでしょ?ダイヤなんで他の色石と比較すると若干値段も張るんだけど。だけどこれだったら自分の特別なお守りにしてもいいかなって、思ってもらえるんじゃないかなって。

やっぱ平尾さんのデザイン性もあるのか、本当にお守り感がありますね。

普通こういうタイプの石ってコレクターさんが集めてあまりジュエリーには仕立てないようなものなんですけど、やっぱりルースとしてカットされたものは、身に付けてほしいなっていうのがあって。
あとね、これがね。これムーンストーンなん。私はこのムーンストーンが大好きで。
ムーンストーンってあの、お聞きになったことはおありかと思いますけど、月の石。長石なんですけど。
ミャンマー産のムーンストーンでちょっとめちゃくちゃ強い、つよつよなんです。

強いというのは?

光り方が。
ムーンストーンって多分ね、イメージとして優しい石、と思われるかもしれないですけど、このモゴクのムーンストーンってめちゃくちゃ強いんです。これ他の石と並べて写真撮ったらハレーション起こして他の周りが暗くなってしまうぐらい強い。
「ムーンストーンって優しくないで、強いで、」
っていうのをちょっとお伝えしたいなっていうのもあって。私の推し石です。激推しです。

人を想う心が、そのまま作品に表れる。
人を想う心が、そのまま作品に表れる。
聞きたいことがいっぱいありすぎますね。

・・・続きは後半で

平尾 佳子  Keiko Hirao

京都のディスプレイ会社にて、造形ディレクターとして博物館、資料館など、おもに自然科学系、民俗学系の文化施設の展示物や、映画、CM撮影用の造形物の製作に十数年間携わった後、突如宝飾工房へ転がりこみ2000年独立。現在に至ります。
主に、展示会やアトリエでのフル・セミオーダー、ミュージアムショップにて展示販売などの活動をしています。

  • 京都精華大学美術学部造形学科卒、東北福祉大学福祉心理学科卒、伊丹ジュエリーカレッジ修了
  • FGA (Gem-A:英国宝石学協会正会員)
  • GIA G.G., A.J.P.(米国宝石学会宝石学修了)
  • スタジオオッズンソッズ代表
HP
https://www.oddsnsodz.com/sinra/
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