anstyle [ アンスタイル ] > つくる人 > ジュエリー > #3 jewels and ornaments SINRA 平尾 佳子 さん【2】

つくる人 Interview

Recent entries

Archives

#3 jewels and ornaments SINRA 平尾 佳子 さん【2】

#3 jewels and ornaments SINRA 平尾 佳子 さん【2】

前回に続きjewels and ornaments SINRAの平尾佳子さんにお話を伺います。
前回のお話はこちら

聞きたいことがいっぱいありすぎますね。

あとジュエリーの仕事場的に、コンパクトだっていうのもあるかもしれないですね。彫刻やってた時って広いアトリエもいるし。道具もいるし。体力的にも大変だったんで

ジュエリーを前に、語りは熱を帯びる
ジュエリーを前に、語りは熱を帯びる
恐竜作られてましたもんね(笑)

そうそうそう。恐竜作ったりとかね(笑)

博物館に展示する恐竜を作って。

そうそう。作った後はゴミになったりするんですよ。イベントごとに大きいものを頑張って作って終わったらゴミになっちゃう。個人でやるよりは、たくさんの人に見てもらえるのかもしれないけど、イベントが終わった途端に廃棄物なんですよ。

うーん。

なかなかそれも辛くって。
ジュエリーは、不特定多数の多くの人じゃなくって。「そのひと」にお届けできるものじゃないですか。

そういうお気持ちが芽生えてきたっていうのもあるんですね。

ええ仕事やな、と思います。

1日の日常の質問なんですけどやっぱり普段はウリちゃんとの時間。お散歩行って。作業して。

そうですね。散歩でしか外出ないので。

ウリちゃんが散歩に連れ出してくれて。(笑)

そう、本当。

工房の日常に寄り添う、大切な存在。
工房の日常に寄り添う、大切な存在。
そこでやっぱり気分転換とか新しいアイデアが生まれます?

そうですね。

犬との暮らしが、かけがえのない。

そう。唯一私に社会性をもたらしてくるのが犬。

世間との繋がり。

そうです。ライフラインです(笑)

本当にそれは言えていて。
職人としては正常なんですけど、どっかこうグーって集中し過ぎるので。日々。

社会的な人間としての存在としては、めちゃくちゃいびつですよね私たち。ひたすらこもって作ってるっていうのって。

普段の日常のつもりなんですけど、どっかこう。なんか、、、

普段の日常と思ってるでしょ?全然違うらしいから。

あ、そうなんですよ。
今、自分の話をするべきじゃないのですが、当サイトを始めてから色々な方とお話や打ち合わせとかが、とても外に連れ出してくださってる気はします。

そうですよね。今までやってらっしゃる仕事って一つの段階で、表になかなか出ることがないことじゃないですか。それがフロントに出るお仕事をされるようになったら、結構世界が変わったんじゃないかなって思います(笑)

変わってます、戸惑いも含めとても刺激的です。(笑)

だからちょっとその、俯瞰で見ることができるようになると思うんですよ。作ってたら作り手目線やったけど、お客様目線というか。お客さんってこういう目で物選ばはるんやな、とか、こういう思いで、こういうものを手にするんやな、っていうのがエンドユーザーさんというかそういう人とお話しすることによって初めて解ったりしますよね。

自然と話してしまう温かいお人柄
自然と話してしまう温かいお人柄
それもやっぱ寄り添う、というコンセプトに沿って大事なところですもんね。

最終的に使われる人とジュエリーの、架け橋じゃないけど、なるべく、その作り手のえっと、何ていうのかな、気配とかでその人とジェリーの間を邪魔はしたくないな、と思ってて。サインもしたくないぐらいなんですけど(笑)

印象的なお客様って、いらっしゃいました?

印象的な人ですか。うーん、みんな印象的ですけど。個性的な人が多いかもしれないですよね。
扱ってる石が扱ってる石なので、うちのお客様って、もの作り手さんとかアーティストさんとか、クリエイターさんとか、ご自身の価値観が確立されている方、が多い印象です。

手に取るたび、語りたくなるジュエリー
手に取るたび、語りたくなるジュエリー
そこからはもう平尾さんに出会えて、カウンセリングのようにお話されて。

私よりも石とかジュエリーと出会いたいんじゃないですか? その邪魔をなるべくしないよう寄り添えればな、と思ってます。

そうですね。なんだろう。でも本当なんか背中を押してもらってる気はしますね。その方もきっと変わったんじゃないですか。平尾さんに、この石があって平尾さんに作っていただいて、身に付けて。

私、誰が作ってもいいんじゃないかなって思うんですけど。今の時代って自分で作って写真撮ってインスタ上げてとかできるじゃないですか。なので、結構マニアックでニッチなものでもそれを求めている人に伝わりやすいのかもしれないですよね。
私も大概引きこもりやし、コミュ障だと思うんですが、でもそこに安心される方がいらっしゃるのかもしれないですよね。「この人やったら大丈夫やわ。」っていうかオタク臭がぷんぷんするというか(笑)

私も最初から話しやすかったので。だから初めてのオーダーを依頼したかったので。うん。

そう、そういうところが一部の人にはすごく安心していただけるところなのではないかと。

至る所に宿る美意識の数々
至る所に宿る美意識の数々
それが作品にも伝わって、私たちが惹きつけられてるんかなと思いますけど。

あと面白いのは、オタクとかマニアックとかって結構若い人の専売特許かな、と思いきや、私、いわゆるアラカンな世代なんですけど、ここらへんのオタクは結構こじれてて(笑)
こじれたオタクが来てくれるな、っていうか(笑)

こじれたオタクに刺さるという。

そう、この年までこじれ続けてるわけじゃないですか。こじれ続けつつ、もの作り続けて。この年になって出会うとなかなかシンパシーが固いというか。面白いです。
「よく生き抜いてきたよな、私たち、このいびつさで。」
みたいな、感じです(笑)
で、その。結構自由になるお金だったりとか可処分所得も高いポジションになってきてるので。飛び込み方も半端なくって。自分へのご褒美度が高いというか。そういう人たちに支えられつつ好きなもの作らせてもらってる気がしますよね。

なので好きなこと、というか、いびつさも大事にすればそれはそれでなにがしらなものになっていくのかもしれないですね。

SINRAさんのファンを超えて信奉者というか(笑)

いやいや、いや。むしろそういう人たちの方が先行ってて「え、そこまで行くんですか!?」っていうこと の方が、というか教えられることの方が多くて。いやまだまだ狂いっぷりが足らんな、と。これからは恐れず狂っていけたらな、と思ってます。

お客様であり刺激ももらう存在として。

そうですね。面白いです。
(ジュエリーは)なんかひとつの言語じゃないけど。共通にして何かこう、ジュエリーを介して喋れることがあるのかもしれないです。

作り手だからこそ語られる、ジュエリーの背景
作り手だからこそ語られる、ジュエリーの背景
本当ですね。私も平尾さんに教わって、色々話せてる気がします。ひとつの言語っていいですね。

着物とかもそうじゃないですか?
なんかこう、いろんな入り口というか、その人それぞれのアプローチがあるじゃないですか。価値観があって。崩し方とか、価値観とか、思想。その道が色々あるというか。ジュエリーもそうなんですけど着物もすごい細かくて深そうやな、っていう気がします。

それはすごく伝わりますね、お客様から教わることが多いし、話して「あぁ、そういう想いで身に付けていらっしゃるんだ」はあの、学ぶことが多いです。

なんか共通してる部分もあるんじゃないかな。
装身具というか、まあ装飾として身に纏うっていうのはやっぱりその人そのものなんやな、と思います。うん。

平尾 佳子  Keiko Hirao

京都のディスプレイ会社にて、造形ディレクターとして博物館、資料館など、おもに自然科学系、民俗学系の文化施設の展示物や、映画、CM撮影用の造形物の製作に十数年間携わった後、突如宝飾工房へ転がりこみ2000年独立。現在に至ります。
主に、展示会やアトリエでのフル・セミオーダー、ミュージアムショップにて展示販売などの活動をしています。

  • 京都精華大学美術学部造形学科卒、東北福祉大学福祉心理学科卒、伊丹ジュエリーカレッジ修了
  • FGA (Gem-A:英国宝石学協会正会員)
  • GIA G.G., A.J.P.(米国宝石学会宝石学修了)
  • スタジオオッズンソッズ代表
HP
https://www.oddsnsodz.com/sinra/
SNS
Instagram / Facebook / X
BLOG
http://hippo27.blog16.fc2.com/