
職人の予定表、だいたい着物側に決定権があります。
京都で着物の修復や染色補正の仕事をしていると、朝立てた予定がそのまま進む日は案外少なかったりします。
今日はこれを直して、
次にこれを仕上げて、
ここまでは終わらせたい。
ちゃんと考えて始めるんです。
寝起きに布団の中でその日の工程を段取りするのが、昔からの癖になっています。
でも、いざ着物に触ってみると、思ったより染みが動かなかったり、色を合わせたら微妙に違ったり。
「ここだけ直せば終わり」と思っていたのに、隣まで気になってくる。
そうなると、朝の予定表はあっさり崩れます。
一枚に半日持っていかれる日もあれば、拍子抜けするくらい、すんなり終わる日もある。
生地も、染めも、傷み方も違う。
20年やっていても、全部予定通りとはいきません。

「ここまで終わらせる」と決めても、
着物一枚に予定を全部持っていかれる日があります。
めげます。普通に。
染み抜き職人の予定表、
だいたい着物側に決定権があります。
今日はどうなることやら。
ま、朝のうちに晩酌の準備は済ませたので、今日はとことん付き合います。
……とはいえ、できればあっさり解放してほしい。
角煮に半熟煮卵、仕込んであるので。
